Q.女王蜂フェロモンとは?どう使うの?
A.用途
無王群に使用することで以下のような効果を得られます。
1 ポリネーションに(もっともよく使われている例)
ハウス栽培果樹の受粉用に、有王群と変わりなく訪花されることができる。
ルアー挿入の群は蜂減りが少なく、利用期間が伸びる(2枚群で約50日、3枚群で70日)
その間働蜂産卵を抑えられる。(貸し出し蜂が返られた時、産卵働蜂や巣脾の処理に困らない。)
2 割り出し群に
割り出し群にルアーを挿入すれば、働蜂は落ち着いて消耗することなく、散逸・減少が起こらない。
別に養成された王台や女王蜂が導入されるまで変成王台は形成されない。3週間以上有効。
ヘギイタダニ駆除対策のために、変成王台と有蓋蜂児の無い無王群を作ることができる。
別途養成の王台を導入する場合、1日前にはルアーを採り去る。完成王台を導入する時は、解放する日までルアーを王カゴネットに半分差し込んでおく。
3 他の群から女王蜂導入に
導入成功率が高まる。
交尾後間もない女王蜂は、QMP(女王蜂上顎線フェロモン)の分泌が少なく、王カゴから解放後に働蜂に攻撃されることがある。
王カゴのネットにルアーを差し込んで導入すると、女王蜂と群の働蜂の間に共通のQMPが吸収されるため、解放後の女王蜂が攻撃されない。女王蜂解放後は王カゴと共に除去する。
4 外役蜂の誘導・収容
ミツバチの活動時間帯に蜂場の撤収をしなければならないような場合に便利。
巣箱10に対し1箱程度に蜂児巣脾1と空巣脾数枚、その間にルアーをセットして配置すれば、外役働蜂の収容が早く済むと同時にその散逸を防ぐことができる。
5 分蜂群の収容に
分封群や分封群収容後のはぐれ蜂の収容でも同様。(巣門近くに1本、巣内中心部に1本、計2本必要。)
または分蜂群誘引剤 Swaram Attractantに併用すれば、さらに誘引効果が高まる。
6 無王群郵送に
無王群の輸送は蜂が落ち着かず蒸殺のリスクを伴う。QMPの働きで蜂の消耗や蒸殺の事故を防ぐ。
7 交配巣箱に
女王蜂が交尾飛行中に事故死して帰還しなかった場合、交尾箱の働蜂はすぐ散逸してしまう。
その場合にとりあえずルアーを挿入して、群を維持する。交尾群として長く繰り返し使用できる。
使用方法
1 同封のプラスチックのホルダーでフェロモン坦体の中心部を縛る。
2 導入群の中央部、巣脾のほぼ中心に担体が位置するようにホルダーで縛り、上からぶら下げる。
3 ホルダーの固定は画鋲のようなものが便利。
4 担体の固定はタッカで留めるか巣脾に差し込むだけでも良いが、使用後に取り除くために目印をつけておく方が良い。
5 3枚以下の弱群であれば、ルアーを半分に切って使用できる。
注意
※ 長期保存は0℃以下。開封後はもう一度開封して冷蔵。
※ 幼児の手の届かないところに保管。
※ 他のにおいが移らないように素手や汚れた手では扱わないこと。
※ 使用目的を果たした後はただちに取り除き、蜂場内にも放置しないこと。
※ 群勢が強すぎる場合や、長時間無王状態で経過した後では、効果が現れないことがある。