ネオニコチノイド系農薬散布によるミツバチ被害の実情

被害パターンの変化
 OECD 経済開発協力機構の調査によれば、我が国の農薬使用量は単位耕作面積当たりでは世界第一位である。
 農薬散布によるミツバチの被害は、果樹園(梅・林檎・みかん)や松枯れ防除林、あるいはゴルフ場周辺で数多く経験してきた。 しかし、かつての被害はこれらの地域で農薬散布時期に限って起こる事故であった。強毒性の有機リン系農薬が散布されれば、周辺に死蜂が散乱することも尐なくなかったが、やがて群は回復するものであった。ところが最近の被害の様相は明らかに異なる。蜂はいつまでも減り続けるのである。全国一の米どころの北海道中部では毎年大きな被害が出ているが、それだけではない。
 近年、全国多くの稲作・果樹栽培地域ではミツバチの飼育が難しくなったと言うのが、養蜂家の実感である。 夏になると持続的に蜂が減り続け、群の維持が容易ではなくなっている。 以前とは異なる農薬が、周年プログラムを組んで散布されることが原因と思われるが、単純に農薬の種類や使用量・施用方法上の問題だけではないようである。
 そのような農薬と施用方法が普及する背景を知れば知る程、根本的な問題には、不可思議な国の農業政策、特に米政策が関わっていると言わざるを得なくなる。問題はネオニコチノイドと呼ばれる系統の農薬で、7 種類の化合物が知られており、各メーカーの製品にはさまざまな剤型が用意されている。 次のような優れた特徴があるため、全国的には尐しずつ農薬使用量が減っているなかで、ネオニコチノイド系は年々増加していて、今日ではもっとも販売量の多い殺虫農薬のひとつになっている。
なかでもイミダクロプリドは世界で最も使用量が多く、年商 1000 億円を越える。

ネオニコチノイド系農薬の特徴

⑴選択的毒性
 昆虫類に広い殺虫スペクトルを持つ一方、脊椎動物に対する安全性が高く(※最近必ずしもそうではないことが判明=後述)、両生類や魚類には無害で昆虫だけを殺す。有用生物のクモ類にも毒性が低い。 ミツバチには特に強い毒性を示す種類が多いネオニコチノイドの中では、チアクリプリドとアセタミプリドは、安全性が高い部類に入る。
⑵浸透移行性
 容易に水に溶け、根から植物体内に吸収される。 そのため、播種前にひまわり・豆類・菜種・とうもろこしなどの種子や種芋などをコーテイングするか、果樹園・茶園・園芸作物では根元に撒いて、作物に吸収させて昆虫の食害を防ぐことができる。
 我が国では稲作への使用が圧倒的で、まず苗箱にウンカの発生予防のためにアドマイヤー粒剤(イミダクリプリド)が撒かれ、出穂期にはカメムシ類の吸汁による斑点米の発生を防ぐために、別のネオニコチノイド系農薬ダントツやフルスイング(クロチアニジ
ン)、またはスタークルやアルバリン(ジノテフラン)の粉剤や水溶剤が散布される。
 根から吸収されたネオニコチノイド系農薬は、植物体内では長期間残留して害虫の食害を防ぐ一方、葉茎に散布されても耐雤性が強く、いずれも優れた残効性がある。
 稲作地域でのネオニコチノイド農薬の被害農薬としての優れた性質は、当然ミツバチを含む昆虫全体にとっては脅威になるわけ
で、我が国では特に果樹や稲作地域の環境の生態系に大きな影響を及ぼしている。施用方法の特徴は、徹底した省力化と全生育期間を通しての完全防除体制である。
 果樹園ではスピードスプレーヤーと言う機械が導入され、人手を煩わすことなく、どの樹にも自動的・定期的に農薬が降り注ぐようなシステムが広がっている。 多いところでは年間数十回も稼働させている。 当然施量は過剰になり、下草や土壌、ひいては水環境を汚染している。防除効果が疑われて久しいにもかかわらず、全廃に至らない松林の空中散布についても同じであるが、最近はこれに果樹園が加わった訳である。
 しかし、近年の花粉交配用ミツバチの不足に関係するような規模の大きな被害は、もっぱら稲作地域で起こっていて、その主役はやはりネオニコチノイド系農薬である。以下はその問題点である。
⑴ 殺虫スペクトルが広い→ミツバチや他の昆虫類を殺す。近年、これらの農薬が散布 されている稲作地域では、現実にミツバチ以外の昆虫類も激減した。特に圃場に隣接する沼沢地域では、とんぼが姿を見せなくなって、水への汚染が強く疑われる。
⑵ 浸透移行性=根→茎→葉・花粉・花蜜にも移行。
大谷剛教授(兵庫県立大学自然・環境科学研究所)によれば、稲の出穂期にミツバチ
が集める花粉荷の 68%が稲花粉であった。稲生育後に散布されるダントツやスター
クルはもとより、最初から苗に散布されるアドマイヤーの残留も疑われる。
⑶ 残効性
 アドマイヤー育苗箱処理(60 日有効)のあとは、収穫まで無人ヘリで尐なくとも 3回のダントツ、アルバリンまたはスタークルの空中散布が行われている。強い残効性を活かして全栽培期間を完全にカバーする戦略である。耐雤性にも優れ、養蜂家にとって、「ひと雤あったからもう安心」とはならなくなった。以前の農薬であれば、危険な期間は 1 週間程であったが、ネオニコチノイド系農薬では 1 ヶ月続く。
⑷ 拡散性
 毒性が強いスミチオンなどでも、散布現場から 1km も離れれば、大きな被害が出ることがなかった。しかし、スタークルなどは超微粒子のフロアブルで散布されるため、毒性が増し、散布の後も周辺に拡散してゆき、(ドリフト現象)4km 以内は危険区域になる。ネオニコチノイド製品には、「ミツバチ飼育場所の近くでは使わないように」と注意書きがあるが、守られたためしはない。
⑸ 土壌の汚染
 ネオニコチノイド系農薬の浸透移行性を利用して、根から吸収させる施用が推奨されている。 そのため圃場や育苗箱の土壌処理、株元散布、植穴土壌混和、湛水散布などの施用に対応させるあらゆる剤型が準備されている。 脊椎動物への安全性が高いと言う理由でこのような施用が許されているらしいが、アドマイヤーは土壌の深部では 2 年以上残留することが判っている。このような施用を毎年繰り返せば、蓄積によって濃度が高くなり、作物への残留や水の汚染が懸念される。しかし、欧米の 10倍もの基準で撒かれて来たにもかかわらず、そのような研究調査も進んでいない。
⑹ 無臭性
 従来の農薬は、昆虫が感知できる臭いを持っているため、それが散布されたところへあえて飛んで来ることは尐なかった。しかし、ネオニコチノイド系農薬の場合はそうはゆかないらしい。ミツバチのような訪花昆虫は花を求めてやってきて、知らずに汚染された花蜜や花粉を採取している可能性がある。
⑺ 水の汚染
 流蜜がなければ汚染された水を飲む可能性もある。特に暑く乾燥した夏には、ミツバチは乾きを癒すだけでなく、巣内の温度調節のために大量の水を吸って持ち帰る。巣脾の表面に塗布して羽で旋風することで巣内温度を下げる習性があるためである。
⑻ 最強のネオニコチノイド化合物イミダクロプリド
 イミダクロプリド(商品名アドマイヤー)は最強のネオニコチノイドである(別表)。専ら種子処理(コーテイング)剤として使われるが、花粉や実にもごく微量残留する。その極微量がミツバチにどのように影響するかが、実はまだよく判っていない。
しかし致死量でなくても、摂取されれば方向感覚を狂わせる可能性が指摘されている。
このことはミツバチにとっては致死量と同じ意味を持つことになり、ミツバチが消えるようにいなくなる今の状況に、そのまま当てはまる説である。
また、最近の研究によると、イミダクロプリドがミツバチの体内で代謝されると、その一部は、より強い毒性の物質に変わると報告されている。

有効成分
(商品名)
蜜蜂への
毒性※
対象作物対象害虫駆除の方法危険残留
イミダクロプリド
(アドマイヤー)

0,0179μg
1※


稲・果樹・茶
野菜・豆類
根菜類・花き
その他
稲カメムシ
ほか広範囲
主に粒剤
種籾処理
土壌混和
株元処理
35 日以上
土壌残留
2〜3 年
クロチアニジン
(ダントツ)
(フルスイング)
0,0218μg
1/2
稲・果樹・茶
野菜・花き・芝
その他広範囲
稲カメムシ
ほか広範囲
粒剤土壌
水溶剤・
粉剤散布
水溶剤 30 日
粉剤約 50 日
土壌残留不明
ニテンピラム
(ベストガード)
0,138μg
1/8

粒剤土壌
株元処理
水溶剤散布
30 日
土壌残留不明
0,138μg
1/8
稲・果菜類・
その他
稲カメムシ
アブラムシ
ハダニ他
粒剤土壌
株元処理
水溶剤散布
30 日
土壌残留不明
ジノテフラン
(アルバリン)
(スタークル)
0,075μg
1/4



稲・野菜・茶
花き
稲カメムシ
ほか広範囲
フロアブル
稲空中散布
20 日
土壌残留不明
アセタミプリド
(モスピラン)
7,07μg
1/395
松枯れ・果樹・
果菜・茶・野菜
広範囲害虫粉剤空中散布
水溶剤散布
ミツバチへの
毒性低い
チアメトキサム
(アタクラ)
ビートルコップ)
0,0299μg
稲・果樹・果菜
タバコ・芝
広範囲害虫散布・湛水
土壌処理
チアクリプリド
(バリアード)
14,6μg
1/816
野菜・果樹
稲育苗箱
広範囲害虫顆粒水和剤
粒剤
花粉媒介昆虫
に安全性高い

※LD50 = 半数致死量; ※=イミダクロプリドの毒性を 1 とした場合の毒性比較

現代の稲作の実態

 農業の担い手の不足は、稲作を大きく変えている。
市場に出回る野菜・花き・果物生産の 80%以上が、農業を主業とする農家に依存しているのに対して、米生産は 40%に留まり、その大半を第Ⅱ種兼業農家が占めている。
 多くの人手を要する果樹・園芸農業と異なり、稲作は機械への投資を惜しまなければ、比較的労働時間の尐ない農業になっている。 兼業農家が多い地域では、農協が稲の管理を一手に引き受けるような形態も増えていて、病害虫防除もその一環として、秋の稲刈りまでの無人ヘリ飛行計画が組まれ、スケヂュールどおりに実行される。
 各都道府県の病害虫防除所は、病害虫発生の兆候を捉えて農家に必要な対策を指導すると言う役目を担っているはずだが、現実には人員も削減されていて、定点調査の情報発信するくらいが限界である。 実際には農業改良普及指導員や農協職員が発生予察を行っているが、農薬メーカーも「協力」と言う名目で随行している。おのずから農薬使用の指導になり、他の対策は考慮される余地もなくなる。 作物をよく観察する時間も意欲もない兼業農家では、これらの指導を鵜呑みにするわけである。
 しかし、米余りの今日、生態系に深刻な影響を与えながら、高価な機械や他人に任せた稲作にどんな意味があるのだろうか? 兼業農家は費用倒れで「米は買うほうが安い」となげき、専業農家は、同じ比率で減反を強いられることに不満を増幅させている。

米穀検査制度の不思議

 稲作へのネオニコチノイド農薬施用を論議する前に、取り上げるべき疑問が在る。米余りで 40%もの作付け制限が課されるなかで、なぜか農家は買上げ価格の低い多用途米(加工用)にまで飯米並の品質を要求されている。つまり農薬は増収のためではなく、米の外観向上のために使われている。事実、防除対象のカメムシは斑点米の原因にはなっても、ウンカのように収穫量に大きな影響を与える害虫ではない。では、なぜそこまで一等米生産が必要なのであろうか?
 農産物検査法第3条によれば、米穀も「検査を受けることができる」とされている。
理屈上は受けなくとも良いのではあるが、JAS 法で産地・生産年・銘柄の表示が義務づけられているため、市場に出すには検査を受けざるを得ない仕組みになっている。
検査の中身は主に外観・色・形状の検査であって、食味にも安全性にも関係がない。一等米・二等米・三等米・規格外に分けられ、二等までは飯米として販売される。検査は目視で行われ、他の異常米と共にこの斑点米比率でも区別される。 一等が 0,1%、
二等が 0,3%以下とされているが、1000 粒中2粒斑点米が多いだけで値を叩かれてはたまらないので、農家は農薬使用を止めることができない。そのために実面積でカメムシ発生面積の 2 倍、延べ面積では 3 倍を超えるような防除が行われているのである。
 実はこの検査は「玄米」で行われていながら、精米機には一等二等の区別なくごちゃ混ぜで投入されている。 農協の精米所から出荷される精米はすべて一等米である。なぜなら、これらの精米所には色彩選別機が導入されていて、ほぼ 100%着色粒を取
り除くことができるので、実際は厳しく仕分けしてから精米する必要がないのである。等級間の価格差は 1000 円/60kg であるが、処理コストの差は 150 円程度しかない。本気で米作りを志す農業グループは、何年も前から時代に合わない農産物検査制度の見直しを求めている。(HP「米の検査規格の見直しを求める会」)食の安全性、生産コスト、生態系への影響のどの見地からもこの検査制度はおかしい。
 生産者にも消費者にも利益がない不必要な農薬過剰散布を促す間接原因になっている。

米のネオニコチノイド系農薬残留基準値の不思議

 2005 年施行の改正食品衛生法によって、食品毎に様々な残留物質に最大残留基準値が定められ、農薬や動物薬が農水省の登録を得るための新たな高いハードルとなった。メーカーが新しい農薬を農水省に登録申請すれば、関係各省や諮問・検査機関での膨大な審査を受けることになり、販売までには、約10年の歳月と数十億円の費用がかかると言われる。 食品・農業・動物・環境に悪影響がないことを証明しなければならず、関係する法律は、農薬取締法・水質汚濁防止法・食品衛生法など多岐にわたっている。
 各種ネオニコチノイド農薬もこのような厳しい審査を受けて登録されたはずである。
 環境省は、登録申請された農薬が人畜や水産動植物へ被害の恐れがあれば、その保留基準を定める役割を担う。ところがネオニコチノイド系農薬につては、生態系への深刻な影響が予測できたはずであるのに、農薬取締法による登録保留はなされなかった。
 環境省所管の農業資材審議会や中央環境審議会はどのような答申をしたのだろうか?養蜂は農水省が所管し、ミツバチは各関連法律(家畜伝染病予防法・動物薬事法・飼料の安定化と品質の改善に関する法律等)でも「家畜」と定義される。農薬取締法だけが例外的に適用されないような解釈は成り立たない。 食の安全性に関しても奇妙なことがある。なぜかネオニコチノイド農薬の残留基準値は、欧米諸国と比較しても驚くほど緩く設定されている。なかでも最も消費量が多い食品である米には、他の穀物・豆類に比較して数倍から 20倍(ジノテフラン)の MRL(最大残留基準値)が設定されている。MRL の設定は ADI が基礎になる。ADI とは申請された農薬を一生涯毎日摂取しても危害を及ぼさない許容一日摂取量のことで、内閣府の食品安全委員会がこれを定める。
当然国民の食習慣も関係し、大量に摂取される食品にはより厳しい MRLが求められる。疑問点はあまりにも多い。 厚生労働省はどのように米の残留基準値を決めたのだろうか? なぜ玄米での基準値になっているのであろうか? 「玄米ベースの基準値であり、精米すれば他の穀類の基準値まで下がる」と言う弁明が用意されている可能性があるが、それなら玄米や五分搗き米の消費者はどうなるのであろうか? 日本人の米の消費量は近年落ち込んだとは言え、主食は主食である。 まだ 150g/日/人を食べている。
 農薬使用基準を設定する際には、農産物残留基準値のクリアが前提条件のはずであるが、逆にメーカーの使用基準に合わせて残留基準が制定された印象が拭いきれない。
 人には安全と考えられていたネオニコチノイド系農薬についても、実際には医師ら(※青山医師=開業医;平医師=東京女史医科大)によって健康被害が報告されている。果物や茶の多量摂取を通じて体内に取り込まれたネオニコチノイド系アセタミプリドによって、意識・記憶障碍・脈異常・手のふるえ・異常行動(突然の暴力)などの神経性症状の健康被害例が数百を超え、これらの摂取を止めることで治ったものの、原因不明のまま看過された患者は数知れないと言う。 長野県では、抑え込みに成功した例
がない松枯れ対策のために、ヘリコプターでチアクリプリドが散布され、小学生が目の異常を訴える集団急性中毒まで発生している。 米は本当に安全なのであろうか?

農薬登録の仕組みと関係省庁・機関の役割

☆(独)農林水産消費安全技術センター 登録検査申請受理(経由)→農水省
●人畜の安全性 ●土壌・水環境への影響 ●原体混在物検査 ●薬効・薬害
●有効成分・製剤の物理的・化学的成状 ● 農作物への残留性 ●水産動物等有用動植物への影響
☆農水省消費安全局
●申請受理 ●登録 ●厚生省への資料提供・意見聴取(農薬使用基準の制定)
●環境省との協議(水質汚濁性農薬の指定)
☆厚生労働省
●毒劇物の指定評価 ●残留農薬基準設定=内閣府と協議 ●環境省の意見聴取
☆内閣府=リスク評価
●食品安全委員会を所管、ADI(一日許容摂取量)設定
☆環境省
●登録保留基準設定●内閣府・農業資材審議会・中央環境審議会との諮問答申

恣意的な農薬残留基準値設定

 EU 各国はネオニコチノイド系農薬の使用を厳しく制限していて、フランスはほぼ全面的に禁止している。一方、アメリカは特別な規制をかけていないが、それでも日本よりはるかに厳しい基準値になっている。つまり日本が異常なまでに緩すぎるのである。
 なかでも米には、他の穀類・豆類などと比較して一桁も緩い基準値が設けられている。輸入が主体の農産物には厳しい基準を設ける一方、国家経済を犠牲にしてまで自由化を阻止している米に、なぜこのような基準値が設定されているのだろうか? 米の国際競争力向上のためには、価格にもまして品質と安全性の維持確保が重要であると言われている時に、機械除去できる斑点米のためになぜこのような過剰施用が必要なのか?
 なお、アセタミプリドだけは、現実に健康被害が出たために、昨年になって基準値を引き下げる変更があったが、その下げ幅は低く、依然として国際レベルにはほど遠い。

アセタミプリドの作物別残留基準値(MRL)の国際比較

EU USA日本(旧→新)
りんご 0,1 ppm1,2 ppm5 ppm→2 ppm
いちご0,01ppm検出限界 0,6 ppm5 ppm→3 ppm
茶葉0,1 ppm50 ppm→30 ppm



トマト 0,1 ppm0,2 ppm5 ppm→2 ppm

ネオニコチノイド系農薬の MRL 残留基準値(米に関連する一部抜粋)

種類(有効成分名)商品名玄米の MRL小麦その他の穀類
豆類などの MRL
イミダクロプリドアドマイヤー1ppm0,05ppm
チアクロプリドバリアード同上同上
ニテンピラムベストガード同上同上
クロチアニジンダントツ0,7ppm0,02ppm
チアメトキサムアタクラ同上同上
ジノテフランスタークル・アルバリン2ppm0,1ppm(大豆)
アセタミプリドモスピラン0,01ppm※ 0,01ppm

※暫定基準値 防除の主な対象がカメムシである稲作には使われていない
フルスイング、ビートルコップは芝または松に登録、稲には登録がない。

結論

 以上のように、厚生労働省はきわめて緩い残留基準値を設定することで、結果的には徹底的に農薬で管理する生産方法を側面援助している。 農水省の意図が強く働いていると疑わざるを得ない。 どうしても農薬が必要な時もあるかも知れないが、あくまで「必要悪」として、不可欠な時の不可欠な量の施用に留められるべきである。
 特にネオニコチノイド系農薬については、人体に急性毒性がないと言う理由だけで、大量施用が許されてはならない。 蓄積してゆけば生態系への影響は計り知れない。
 ネオニコチノイド系農薬を施用した圃場にミミズや水棲昆虫がいないことは当然ながら、影響がないはずの蛙も泥鰌も、水鳥さえも姿を消したことを考えるべきであろう。
 田畑も食物連鎖で成り立つ生態系の一部であることを無視した結果である。
ネオニコチノイド農薬の施用は即時中止して、せめて、例え急性毒性は強くとも、残効性の尐ない農薬の必要最小限の施用にもどしてもらいたいものである。

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