これからのバロア(ヘギイタダニ)対策PartⅢ 2022トピックス
耐性バロアにどう立ち向かうか?
世界中で長年使われてきたアピスタンに耐性を示すバロアダニが蔓延しています。
農薬マブリックの有効成分はアピスタンと同じピレスロイド系フルバリネートです。
ダニ類には強い毒性をを示す一方で、ミツバチのは比較的安全であるため、多くの養蜂家が自家製の担体に高濃度のマブリック水和剤を浸して使用しています。
フルバリネートは脂溶性で脂質0の蜂蜜には残留しない一方、巣脾には強く吸着されます。微量の残留薬剤にバロアが常時接触する状態が、耐性を誘発する原因と考えられています。耐性ができた化学合成の薬剤に代わってギ酸、シュウ酸、チモールなどオーガニック物質が多く使われています。なかでもシュウ酸はミツバチへの影響が少なく、蜂蜜へ残留しないことから、世界のバロア対策の主流となっています。
化学合成の駆除剤の内で、今も比較的よく使われているのはアピバール(有効成分アミトラズ)で、農薬ダニカットはこれに相当します。水溶性で蜂蜜には吸収されるものの加水分解するので問題は無いとメーカーは言います。逆にそのためか、高湿の季節には著しく効力が低下します。高温は影響しないそうですが、我が国の夏は高温に高湿が伴うのが普通です。やはり早春と晩秋が投与の適期と思われます。
アミトラズは直接ダニの生命を奪うのではなく、麻痺を引き起こして栄養摂取を妨げることで結果的に餓死を招く遅効性の薬剤です。耐性を生じ難い薬剤と言われ、事実、全体的にはまだ使用可能なレベルの効力を保っています。しかし、発売以来、年2回投与してきたか、または農薬ダニカットを常用してきた養蜂家の群には、明らかに耐性ダニが広がり始めています。これ一つで足りると言う薬剤はあり得ません。
色々な対策を総合的に組み合わて対処(IPM)する必要があります。
対策の第1歩
我が国を含め、世界のバロアは病原性が強いと言われるKoreaタイプに置き換わっていて、被害はさらに深刻になっています。バロアによって媒介される縮れ羽ウイルス(DWV)も変異して強毒化し、被害増大の原因に挙げられています。その病理については、養蜂産業振興会会報第3号や同会制作のDVDに詳しく説明されています。
かつては10%以下とされていた許容寄生率は、今では1~2%以下が望まれます。
実際、ダニの姿が目に留まるようになれば手遅れです。正確な寄生状況を把握して早めに対策することが、これまで以上に重要になっています。特に盛夏のダニ対策がポイントです。夏には雄蜂卵の産卵が低下または停止するため、バロアは一斉に雌蜂巣房に侵入します。その頃2~3%だった寄生率が、1ヶ月後に50~60%まで上昇することもありす。残念ながら、油断から秋になって慌てる養蜂家が少なくありません。
寄生率のモニタリングこそが対策の第1歩です。雄峰巣房のカットやシュガーロールで寄生率を調べ、必要に応じて早めに対策しなければなりません。もし寄生が無いか寄生率が低ければ無用な投薬を避けます。耐性の発現を遅らせることに繋がります。
(1)産卵育児圏(Brood Pattern)の観察
特別な器具も不要。通常の内検作業中に目視で有蓋蜂児圏に空巣房が10%以上ある場合、次のような原因が疑われます。
①女王蜂の産卵異常(高齢化・近親交配による致死因子)
②幼齢蜂児の病気(フソ病・チョーク病など)
③バロア寄生蜂児が取り除かれた状態(死亡またはVSH行動の結果)
病気の症状が無く、女王蜂も健康であれば、まずバロアを疑って以下の方法で調べる必要があります。
(2)雄峰巣房によるトラップ
ミツバチの蜂児巣房は、働蜂で8.5日齢、雄蜂で10日齢で封蓋されます。バロアはその前日に巣房に侵入して、封蓋されて約30時間後に産卵を始めます。バロアは働蜂児の巣房より平均8倍も多く雄峰児巣房に侵入することが知られていますが、実際封蓋された雄峰児を取り出せば、寄生群ではかなり高い確率でバロアが見つかります。バロアの約80%が雄峰児巣房に侵入する性質を利用して、バロアを誘い込むもんどり戦略が成り立ちます。寄生状態をモニタリングするためだけでなく、駆除対策としても有効です。専用の雄峰巣礎を使う方法と、雄峰巣房の自然巣を作らせる方法があります。いずれも封蓋後10日~12後のどこか一定の日を決めて蜂児を切り出して、各群ごとの正確な寄生率の比較をします。
それがその後の「バロアに強い系統」の女王蜂の選抜に繋がります。
(3)シュガーロール法
雄峰卵が産まれる春~夏の間は、雄峰巣房トラップで寄生をモニターします。
しかし、それ以外の季節や養成中の新王の群には雄峰児の産卵がありません。その間は、寄生率のモニタリングはシュガーロール法に頼らざるを得ません。外勤蜂が多い巣脾でなく、育児蜂が多くいる蜂児巣脾の働蜂を採取してください。
約300匹(100ml)を採取して次の計算式により寄生率が算出できます。
雄峰卵が産まれる春~夏の間は、雄峰巣房トラップで寄生をモニターします。
しかし、それ以外の季節や養成中の新王の群には雄峰児の産卵がありません。その間は、寄生率のモニタリングはシュガーロール法に頼らざるを得ません。外勤蜂が多い巣脾でなく、育児蜂が多くいる蜂児巣脾の働蜂を採取してください。
{バロアダニ数÷300}×1,1=推定寄生率
この方法で駆除剤の効力そのものを、また一定のインターバルで寄生率を調べれればその効力の持続期間も知ることができます。中には投薬期間中でも逆に寄 生率が上がる場合もあります。薬剤耐性を調べる手段としても有効です。
これからのバロア対策・その効果と課題
1 有蓋蜂児のない群を作る
バロアが他のダニよりも駆除が難しいのは、成蜂に寄生する数よりも有蓋巣房の中の蜂児に寄生している数の方が圧倒的に多い点にあります。その間はどんな駆除剤も効果を発揮しませんが、特に効力の持続が短いシュウ酸の弱点となっています。
しかし産卵が止まる冬の群や無王群などでは、バロアは成蜂に寄生したまま過ごしています。そこで、蜂群を人為的に有蓋蜂児が無い状態にするための色々な方法が考案されています。
(1)隔離王カゴ
働蜂は通り抜けても女王蜂は出られない4,1mm間隔のカゴに幽閉し、巣板への産卵を止めます。21日間の隔離で働蜂の、24日間で雄蜂の有蓋蜂児が無くなります。
そのタイミングで投与する薬剤は何であれ効力がアップします。即効性ながら効力が持続しないシュウ酸投与には特に効果的な方法です。
(2)群分割のタイミングを利用
養蜂家の多くは採蜜シーズン終盤には群を分割して養成群を作ります。そのタイミングを利用して、養成群の新女王が産卵を始めてから8日目以内に駆除剤を投与します。母王が残る元群には有蓋蜂児を残さずに、養成群割り出し後すぐに薬剤投与しなければなりません。
(3)有蓋蜂児の切除
北海道に移動する専業養蜂家の多くは、10月末頃に本州や九州に帰ります。その際に残存する有蓋蜂児があれば、それを切り出してからアピバールなどの接触剤を投与して荷作りします。同じ考え方で、越冬前に残る有蓋蜂児を除去して投薬しておけば、越冬するバロアの数を大きく減らすことができます。
(4)女王蜂フェロモン(QMP)ルアーの利用
専業養蜂家は夏に一斉に採蜜群から養成群を割り出し、別途に養成した王台を配ります。しかし、繁忙期で作業が遅れて変成王台からいつの間にか新王が生まれ、産卵を始めていることさえあります。QMPルアーを使えば、変成王台の形成や働蜂産卵の懸念なく有蓋蜂児の無い無王群を維持することができます。QMPを与えられた分割群は、無王状態でも騒がず落ち着いていて、蜂の数が減りません。
2 シュウ酸+グリセリン
使用開始が早かった欧米では、アピバールにも耐性を示すダニが増え、養蜂家の関心はオーガニック駆除、なかでも蜂への安全性が高いシュウ酸に向けられています。シュウ酸には蜂蜜に残留しない長所があります。しかしそれは同時に効力の持続性に欠けると言う欠点でもあります。これまでの投与方法ではこの課題を克服できておらず、有蓋蜂児の無いタイミングでない限り、何度も投与を繰り返す必要があります。
これらの方法に代わり、グリセリンに溶解したシュウ酸を色々な担体に沁み込ませて、効力の持続性を保つ試みが各国で進められています。American Bee Journal 最新号(2022年3月号)には、有名なRandy Oliver氏が色々な担体材料を試用した駆除成績の記事が掲載されています。実はすでに製品化され、販売されている国もあります。
日本養蜂協会は、シュウ酸ベースのバロア新薬の開発か輸入販売を検討してくれる企業を探していますが、容易には見つかりません。市場が小さい我が国へ輸入して販売しても、採算に合わないとみなされるようです。ア日本農薬(株)でアピスタンを担当された坂井氏によれば、動物用医薬品の承認申請に際し、我が国では海外での試験データの利用が認められず、農水省からは国内での各試験実施が要求されます。そのため、我が国の新薬登録には数年の期間と数億円の費用がかかるそうです。
3 セミオケミカル
働蜂の封蓋行動は、その日齢の蜂児の表皮から分泌される4種の脂肪酸メチルエステルに誘発されます。昆虫類に広く知られるこれらはいわゆるフェロモンで、情報伝達化学物質Semiochemical)と呼ばれます。同種の生物間で機能すればアロモン、異種の生物に一方的に利用される場合はカイロモンと称されます。ミツバチの蜂児表皮からのアロモン分泌は封蓋開始頃が最大になり、2~3時間で終息します。
ところがバロアもこれをカイロモンとして「悪用」します。雄峰児巣房により多く侵入するのは、雄峰児の分泌量が働蜂児よりも多く、封蓋にかかる時間も長いことがその理由と考えられています。バロアは一対の前肢で匂い物質を感知し、暗い巣房の中でも雄ダニは娘ダニのアロモンに誘われて近づき、受精を果たします。
2009年に、米国農務省ミツバチ研究所の化学研究班は、合成セミオケミカル様物質を用いて、35~50%のバロアを粘着シートにトラップすることに成功しました。
蜂児から発散する「本物」の匂いをマスクして巣房への侵入を攪乱する戦略も検討されています。攪乱戦法はすでに作物の害虫対策に実用化されていますが、バロアへの応用はまだ実現していません。次のような問題があると考えらえています。
(1)ミツバチとバロアのライフサイクルは100%リンクしていて、育児蜂の給餌行動がバロアの蜂児巣房侵入に直接かかわる。1匹の育児バチは、1日に約1300回蜂児の給餌をすると言われ、完全な攪乱効果は難しい可能性がる。
(2)実際に投与した場合には、ミツバチの行動にも混乱を生じる可能性がある。ミツバチの生態への影響を十分に検証する必要がある。
(3)バロアの大半は巣房の中にいるので、投与物質がそこまでは到達しない。揮発性化合物を継続して徐放させるための装置か担体の開発が必要。
4 バロア抵抗性系統のミツバチ
世界にはバロアが侵入しながら放置された結果、抵抗力のある系統の群だけが生き残っている地域がいくつかあります(NVR bee=養蜂産業振興会会報第4号参照)。
NVR beeと思われる蜂場は、我が国にも周囲から隔絶した所に稀に存在しますが、化学合成駆除剤を使っている地域(世界の大部分)にはありません。駆除剤の使用が選択淘汰圧(Selective pressure)による抵抗性遺伝形質の進化を妨げるからです。
ミツバチは元来病気の蜂児を巣房から取り除く行動の遺伝子を備えています。バロアの場合も封蓋下のバロアを感知して蓋を噛み破り、寄生された蜂児を処理します。
この一連の衛生行動はVSH(Varroa Sensitive Hygiene behavior=バロア感受性衛生行動)と呼ばれ、NRVの蜂群によく見られる現象です。
USDA米国農務省ミツバチ研究所では、これらの抵抗性遺伝子を持つ群を集中し、人為選抜や人工授精技術を動員して、バロア抵抗性系統の作出しています。
2007年にバロアが侵入したハワイ州では、現地ブリーダーとの協力のもとにVSH女王蜂開発プロジェクトが始まり、2020年からは一般養蜂家の供給が始まりました。
現地では駆除剤はほぼ使わなくても済むようになったそうです。(2015年時点)
もっとも別の州の統計調査では、VSH群の平均の蜂蜜生産量は駆除剤を使用した群には及ばなかったようです(2010年時点)。VSH形質に照準を合わせた改良の結果、繁殖力や集蜜力などにかかわる他の優良遺伝的形質が、十分に確保されていないのかも知れません。ちなみにオーストラリア産女王蜂の群は温和で繁殖力に優れ、分蜂し難いなど良いことづくめですが、バロアに対しては無抵抗な傾向があり、短期間で増えます。バロアがいない唯一の大陸であることの影響が考えられます。
「ダニ耐性のミツバチを作るのは、狼に襲われない羊を作るようなもの」と言う皮肉な意見もあるなかで、ハワイのVSH beeはかなりのレベルに達しているようです。
我が国もこのような女王蜂の供給を受けたいところです。実はハワイからは2007年までは毎年女王蜂が輸入されていながら、2008年以降輸入は止まったままです。
同年、農林水産省からハワイ州政府に対して示された「米国ハワイ州から日本向けに輸出されるミツバチの家畜衛生条件」第3項で、「輸出みつばちが生産及び飼育された全ての場所(以下「養蜂場」と言う)では、バロア病が清浄であること」と要求されているため、ハワイ州の輸出検疫当局は証明書を書くことができないからです。
WTO加盟国間で結ばれている「動植物衛生協定=SPS協定」に反する要求がなされて今まで放置された理由は不明ですが、早急に撤回してもらわなければなりません。
5 RNA干渉
遺伝子解析技術の進化によりウイルスのゲノムが簡単に解析され、連日のコロナウイルス感染の報道と共にmRNAを用いたワクチン開発の早さに驚かされます。
1990年に発見されたRNA干渉は、当時から医療への可能性が期待されていました。
さらに現在は抗体産生や細胞性免疫を強めるワクチンではなく、標的の病原生物または微生物のゲノム情報を利用して、その遺伝子発現(具体的にはタンパク質合成)を抑制するRNA干渉(RNA interference)と呼ばれる戦略が進められています。
RNA干渉は、siRNA(2本の短鎖RNA)またはdsRNA(2本の長鎖RNA)が、標的遺伝子が転写されたmRNAの相同部分を切断することで、標的生物が生命維持や繁殖に必要とするタンパク質合成を阻害します。これらの合成による量産が可能になって以来、RNA干渉は医療分野に留まらず、現在は衛生害虫や農作物害虫防除にも応用されています。 特に害虫防除では、効果、環境への安全性、簡便な投与法、標的生物にだけ発揮される毒性などの優れた特徴によって、近年大きく利用が進みました。
今ではミツバチのバロア対策にも応用されようとしています。その基礎研究に巨額投資をしたMonsanto社は、20018年にBayer社に買収されましたが、Bayerはその後この分野のベンチャー企業であるGreenlight 社に製品化をゆだねたようです。
Greenlightはバロア対策の新製品Bi-directを、2019年、米国環境保護局(EPA= Environmental Protection Agency)に2024年の上市を目標に登録申請をしています。
これまでの駆除剤は、すべて成蜂寄生のバロアを標的にするしかなかったのに対して、この新技術は初めて蜂児に寄生するバロアにも効果があると言われています。
dsRNAが糖液に混ぜられてミツバチに与えられます。餌に混ぜる方法は害虫防除に広く採用されていますが、ミツバチの脂肪体を栄養源としているバロアは糖液を摂取しません。間接的な投与法と言えるでしょう。
糖液に混入されたdsRNAは、成蜂→蜂児→バロアと移行し、中腸内に標的遺伝子が無くても、RNA干渉のシグナルは抑制すべき対象遺伝子に達し、寄生するバロアに対してもRNA干渉を引き起こすことができるそうです。ただし、脆弱で分解が早いと言われるdsRNAを長く保つための技術開発が今後のポイントになるようです。
RNA干渉をベースとするバロアやウイルス対策にはさらに進んだ研究があります。2020年1月の科学雑誌サイエンスのカバーストーリーとして表示を飾った論文タイトルは「ミツバチのための微生物の銀の弾丸」(A microbiome silver bullet )です。
テキサス州立大学Moran教授は昆虫の微生物学研究のパイオニアで、その研究を通して除草剤グリフォサートがミツバチの中腸微生物叢を乱すと結論した研究者です。またミツバチについても中腸内で核となる常在性細菌を特定しています。
教授らの研究陣は微生物学的手法でミツバチの免疫力を活性化して病原体増殖を抑制することに成功しました。中腸内細菌を用いてRNA干渉を誘導する方法です。
Leonardらは、遺伝子を組み換えたミツバチ共生菌の1種Snodgrassella avdiを蜂群に投与したところ、10日後には対照区に比べて70%多くバロアを殺し、ウイルスを標的とするS.avdi投与の場合は、ミツバチは36%多く生存していたと言います。
この遺伝子組み換え腸内細菌(以下GM細菌)は、投与後11日目にも中腸内壁の一定の位置に観察されています。このGM細菌がdsRNAを作り続け、ミツバチの免疫機能を活性化し続けることができることが証明されたのです。
この画期的な技術は、2020年1月発表時点では研究室レベルでの開発成功であり、今後の野外での各試験での結果が待たれます。またGM細菌の環境への流出、いわゆる遺伝子汚染が起こらないことを証明する課題が残ります。研究陣はミツバチ中腸内の特殊な環境にのみ適応した共生微生物なので、その恐れは無いと主張していますが、同じスペースで試験された他のミツバチにも移行したことが確認されています。
「トロイの木馬」作戦に例えたいようなこの新技術が、バロア対策のために実用化されるまでにはもっと時間がかかると思われます。しかし、現時点でも耐病性系統の女王蜂養成などに、新たな視点をもたらしたことは事実です。
6 その他の戦略
米国では巨大な低温倉庫に蜂群を収容して女王蜂の産卵を止めてバロアの繁殖を抑えるような方法も実際に行われています。バロア対策はその効果だけでなく、労力を含む経済性が問題になります。色々な方法があっても誰でも使えるとは限りません。飼育規模や形態によって、養蜂家自身の判断が求められます。
多くの参考書籍が出版されていますが、残念ながらバロアに関しての記述は通り一遍で、薬剤耐性バロアの対策について詳しく解説する書籍はありません。養蜂産業振興会会報各号の記事と同会制作のDVDのコンテンツが最も充実しています。
IBRA( International Bee Research Association) 曰く、「Know your enemy!」です。
おわりに
佐々木正巳玉川大学名誉教授が代表を務める「養蜂産業振興会」では年2回の会報が発行され、毎号バロアに関する最新情報が掲載される外、講習会も開催されます。
この記事を書くにあたっては、京都産業大学の高橋准教授と日本農薬(株)の坂井医学博士に監修をお願いし、最終的に佐々木先生に校閲をしていただいたものです。
なお、これまでの「ミツバチヘギイタダニ」を「バロア(ダニ)」に変えました。覚えにくい長い和名に代えて、世界共通の呼称にしました。
参考文献
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(10)New bait lures Varroa mite to it’s doom; USDA Agricultural Research Center, Jul 2009,
(11)Breeders toughen up bees to resist deadly mites; Science, Jun 2019
(12)RNAi opens new vista for pest control; Agronews, Aug 2020
(13)A new selective treatment for varroa that doesn’t harm other organisms;
American Bee Journal, Aug 2021,
(14)A microbiome silver bullet for honey bees; Bee culture, May 2020
(15)A Silver Bullet; Science Magazine 2020 Jan,
(16)Engineered Symbionts active honeybee immunity and limit pathogen science;
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(17)Bidirectional transfer of RNAi between Honey bee and Varroa destructor; Gene Silencing reduce s Varroa population; PLOSS PATHOGENS, Dec 2012
(18)“Protecting honey bees from the varroa destructor mite; Greenlight sciences” May 2019
Greenlight acquires Bayer’s topical RNA intellectual property; Greenlight portfolio,
(19)Lessons learned from developing an RNAi-based varroa control product; Bayer portfolio, Sep2019
文責:(有)俵養蜂場ビーラボクリニック