損をしない蜜蓋(みつぶた)の処理<採蜜→蜜蓋処理→蜜ろう製造>
近年色々な養蜂入門書が出版されていながら、意外にも採蜜後の蜜蓋の処理について、詳しく解説する書籍はありません。
採蜜量が多ければ当然蜜蓋の量も多くなり、その処理にうれしい悲鳴を上げることもあります。ふつう我が国のアマチュア養蜂家の間では、切り取られた蜜蓋は台所用金網ざるに入れ、蜜だけが垂れ落ちる工夫をして翌日まで放置されます。しかし、これでは多数の採蜜群から出る蜜蓋を処理しきれず、しばしば非衛生的でもあります。採蜜群が10群を超えるような規模になれば、専用の器具を使うことをお勧めします。
次のようなメリットが期待できます。
蜜蓋切り専用台の利用のメリット
① 蜜蓋を切る作業が楽になり、採蜜時間が大幅に短縮する。
② 採蜜作業終了時に、切り取った蜜蓋を別容器に移す必要がない。
③ 蜜が垂れ落ちるようにそのまま放置しても、ゴキブリやネズミの侵入の恐れが無い。衛生的に処理できる。
蜜蓋圧搾器の利用のメリット
切り取られた蜜蓋に一夜の「垂れ蜜」処理をしても、まだ多くの蜜が残っています。その時の気温や蜜の濃度によって異なるものの、ふつう容積で10分の1、重量では3分の2が蜂蜜になります。圧搾器を利用すれば、採蜜量を増やすことと、蜜ろう製造の前処理を同時にできます。重箱式飼育の日本ミツバチ養蜂家は蜜蓋切り台での垂れ蜜のプロセスを省き、直接圧搾器に蜜巣の塊を入れれば、採蜜作業は飛躍的に効率化され採蜜量も増えます。