巣蜜(Comb Honey)の作り方
巣蜜は純粋な蜂蜜を証明する産品として、品質に関して信頼感を持てない消費者層に根強い人気があります。蜜ろうは唯一の食用ろうとしてケーキ作りにも使われています。また欧米ではホテルの朝食会場に、大皿にカットナイフを添えて提供されている例があります。養蜂器具専門メーカーには、専用のトレイも販売されています。
準備するもの
- 3万匹程の強群で新王が望ましい。(貯蜜が増えても分蜂熱を起こし難い)
- ハーフサイズ(半丈)の継ぎ箱とそれに見合うサイズの巣枠
- 巣礎 100%蜜ろう製(食感に抵抗の無い超薄手の巣礎)
- 隔王板(必須ではない。使わなくてもできる)
手順
- 流蜜最盛期を選んで作る。上記①の継箱群を選ぶか合同して強勢群にする。
- ②の巣枠に針金は使わず③の巣礎をぶら下げる。上桟に巣礎の端をあてがい、別の桟で挟んで釘付けする。弊社の巣蜜用巣礎は自然巣と同じ超薄手で、上桟の溝に溶けた蜜蝋で接着することができません。巣礎自体が溶けます。
- 採蜜直後に、半丈の継ぎ箱を3段目に載せる。下段に貯蜜が多いと、蜜蓋が通路を塞いで蜂が上がってこない。造巣が進まず分蜂熱を生じやすくなる。
- 巣蜜は全面に蜜蓋がかかった時が完成であって、未完成品を引き上げないこと。これに要する期間は流蜜状態や蜂群の勢力、蜜蜂の品種によって異なるが、おおむね1週間〜10日間程度でできあがる。
- 巣蜜が完成すれば巣箱から引き上げ、巣虫(ハチノスツヅリガ)が寄り付かないように密閉状態で保存にする。
- 巣蜜を小さくカットする場合はナイフを温めた状態で使う(特に冬)。容器はふたつきのアクリル製のトレイがよい。
その他の注意点
- ダニ寄生や病気の恐れのない群を使うこと。途中の投薬はできません。
- 製作に日数がかかりすぎると巣の表面が次第に褐色に変わってくるので強勢群で確実な流蜜期を利用して手早く仕上げること。(カー二オラン種は最速で仕上げる。真っ白な美しい蝋を分泌する。)
- 天候の悪化などにより、あと一歩完成に至らないような場合は、自家産の安心できる蜂蜜を糖度70以下まで薄めて給餌して仕上げるとよい。