きれいな蜜ろうを採る方法
Ⅰ.原料
蜜蓋や無駄巣を利用して蜜ブロックにする。古い巣脾を溶かしても残渣が多く、手間に見合う量が出ない。古い巣脾を処分しながら採取するには日光製ろう器が便利。
Ⅱ.準備するもの
1. できるだけ大きな深鍋(銅製が最適、アルミ製が次善。鉄製は蝋が溶け難い)
2. 底より上部が広いポリプロピレン製のバケツを鍋の容量に合う複数個(溶けた蝋を流し込んで固める。ペール缶や内側に縁取りがあるバケツでは取り出せない)
3. 目の細かい布地(溶けた蜜ろうを濾過してごみや異物を取り除く)
4. ②のバケツにセットできる直径の金網製のざるとひしゃく
5. 手の平大の目の細かい布製網(表面に浮くゴミやアクをすくい取る)
6. 水(①の鍋容積の半分以上の量)
7. ②を覆う断熱剤の手製保温箱。(大きい段ボール箱を目張りしてもよい)
Ⅲ. 蜜蝋ブロックの作り方
1. 原料の巣屑の蜜をよく切り、水洗いする。(この時大きなごみを取り除く)
2. ①の鍋に、水(多いほど蜜ろうがきれいになる)を張り、原料をいれてガスコンロにかける。溶けた蜜ろうに浮くゴミとアクを⑤ですくい取り、早めに火をおとす。
3. ②のバケツにざるを置いてその上に③の布をかぶせる。
4. 溶けた蜜ろうをひしゃくですくい、布地で漉しながらバケツ約半分まで注ぐ。この時滓が沈んでいる水はそのまま残して、できるだけ蝋だけをすくい取る。
5. 別鍋または給湯器からのきれいな湯をバケツの口まで注ぎ加える。
6. 溶けた蝋が短時間で固まらないように保温箱⑦の中に入れ、24時間静置する。
7. 冷えて固まった蜜ろう取り出す。ブロックの底の滓はへらやハイブツールで除く。
Ⅳ. 注意点
1. 蜜ろうは比重が軽く吹き上がりやすい。鍋に7分目程度入れ火の傍を離れない。蜜ろうの融点は62℃。必要のない強火を避けて安全に溶かす。
2. 蝋が早く固まれば、残滓が蜜ろう内部に残る。微細な不純物を水中に沈殿させるためには、蜜ろうが溶けた状態をできるだけ長く保つことが必要。そうすれば色あざやかな蜜ろうブロックに仕上がる。(ブロック底の滓は分離していて、竹べらでも簡単に削ぎ落せる。)冷却が早すぎるとブロックの表面はひび割れし、底部は不純物が混ざって色が黒ずむ